大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

宇都宮地方裁判所 平成9年(わ)703号

右三名に対する法人税法違反各被告事件について、当裁判所は、検察官山中一弘、被告会社及び被告人関谷の両私選弁護人稲葉勉並びに被告人丸山の私選弁護人新江進各出席のうえ審理して、次のとおり判決する。

主文

被告会社を罰金二〇〇〇万円に、被告人丸山を懲役一年に、被告人関谷を懲役一〇月にそれぞれ処する。

被告人丸山及び被告人関谷に対し、この裁判確定の日から、各三年間それぞれその刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、栃木県黒磯市大原間五二二番地に本店を置き、土木工事及び建築工事請負等を目的とする資本金五〇〇〇万円の株式会社であり、被告人丸山は、被告会社の取締役で実質的経営者として被告会社の業務のうちの重要事項等について統括していたものであり、被告人関谷は、被告会社の代表取締役として被告会社の業務全般を統括していたものであるが、被告人丸山及び被告人関谷の両名は、共謀のうえ、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空及び水増し外注費を計上する等の方法により所得を秘匿したうえ、平成六年六月一日から平成七年五月三一日までの事業年度における被告会社の実質所得金額が四億三二一九万九七〇三円であったにもかかわらず、平成七年七月三一日、栃木県大田原市紫塚一丁目五番五四号所在の所轄大田原税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一億八八六五万一八九七円でこれに対する法人税額は六八二三万五九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一億五九五六万六四〇〇円と右申告税額との差額九一三三万〇五〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

被告会社、被告人丸山及び被告人関谷について

一  被告人丸山及び被告人関谷の当公判廷における各供述

一  被告人丸山の検察官に対する平成九年一二月一一日付け(検二号)及び平成九年一二月一九日付け各供述調書

一  被告人関谷の検察官に対する平成九年一二月一二日付け及び平成九年一二月一七日付け各供述調書

一  遅澤正義及び安達和代の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書、修正損益計算書(合計)、工事収入調査書、材料仕入高調査書、外注加工費調査書、水道光熱費調査書、消耗品費調査書、賃借料調査書、修繕費調査書、通信費調査書、事務用品費調査書、接待交際費調査書、雑費調査書、期末仕掛品棚卸高調査書、賞与調査書、受取利息調査書、雑収入調査書、損金の額に算入した道府県民税利子割額調査書、役員賞与損金不算入額調査書、交際費損金不算入額調査書及び事業税認定損調査書

一  検察事務官作成の電話聴取書

被告会社及び被告人丸山について

一  被告人丸山の検察官に対する平成九年一二月一一日付け供述調書(検一号)

被告会社及び被告人関谷について

一  被告人関谷の検察官に対する平成九年一二月九日付け供述調書

(法令の適用)

罰条

被告会社

法人税法一六四条一項、一五九条一項

被告人丸山及び被告人関谷

刑法六〇条、法人税法一五九条一項

刑種選択 所定刑中懲役刑のみを選択(被告人丸山及び被告人関谷)

罰金額の上限の変更 法人税法一五九条二項(被告会社)

懲役刑の執行猶予 刑法二五条一項(被告人丸山及び被告人関谷)

(求刑 被告会社について罰金二五〇〇万円、被告人丸山について懲役一年、被告人関谷について懲役一〇月)

(裁判官 飯渕進)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!